昔より「京都の白粥、大和の茶粥」という食の歴史がありました。粘りのある白粥に対して、逆にさっぱりとしたのが大和の茶粥です。茶粥の歴史は、9世紀初頭、弘法大師が唐から茶種を持ち帰り大和地方に植えたのが「大和茶」。これから始まった、由緒有る茶粥です。
さて、茶粥つくりは、前夜に米を洗いザルに入れ濡れフキンを掛けておく。朝、おくどさんで大鍋に湯を沸かす。フキンで作った袋に焙じ番茶を詰め込み湯に投じる。よく出たところで番茶袋を引き上げる。そこで前夜洗い上げた米を煮えたぎる中に投入、さっと蓋を被せる。噴きそうになったら蓋を取り(このタイミングが茶粥の生命線である)、おくどさんの薪を引く。
シャバシャバのお粥さんの出来上がり。粘りが出たら駄目である。こんなものでは腹持ちが悪い。薩摩芋がある時は、蒸かしたものを暑さ15㍉ぐらいに輪切りにしてお粥の中に入れて食べる。